天国へのナビゲーションシステム

2023年05月07日

ヨハネによる福音書 14章1~14節

 今日の福音書はイエスの「告別説教」と言われる場面。イエスが自分のことを「道であり、真理であり、命である」と言い、自分を通らなくては父のところに行くことはできないと伝えます。そして「私の名によって願うことを何でもかなえてあげよう」と約束します。

 わたしたちは、家の外に出たら「道」を歩きます。現代の日本で、よほど人里離れた場所、例えば山の中や原野などでなければ、基本的に「道」はどこにでも整備されていて、どこに行くのにもほとんど困ることはありません。さらにナビゲーションシステムも優秀で、カーナビやスマートフォンに行き先を告げれば一番早く着くことができる道を選んでくれます。しかも、その道を進んでいる間にも新しい道をどんどん選びなおしてくれたりもするんです。目的地に着くためにしっかりとサポートしてくれるシステムをわたしたちは手に入れました。本当に至れり尽くせりで、昔のシステムだったら、道を間違えると「戻ってください、戻ってください」と連呼するだけでしたが、今は「こちらの道を通ったほうが早いですよ」とか「こちらだったら5分遅れます」とか、むしろおせっかいだと感じるくらいに教えてくれます。

 しかしわたしたちの技術がどんなに進んでも、簡単にナビゲートできない道があります。それが今日イエスの話していた「父のもとへ至る道」です。だって「天の国」が目的地と言っても、残念ながらどうやってカーナビやスマートフォンに入力すればいいのか分かりません。地図を見ようにも具体的な地図もありませんし、本当にどうしていいのか分かりません。世界中の人々が、自分がどうやったら天の国に向かうことができるのかを知りたいと思っています。そして、今進んでいる道が本当に天の国に向かっている道なのかもいつも知りたいと思っています。さらに言えば、多くの人が「間違えてしまった」と感じて絶望に打ちひしがれたりします。ホント、カーナビやスマートフォンの地図アプリみたいに「天国への道はあと何キロです」「今日はここで出会う人にこうしてあげましょう」とか、誰でもわかるようになればいいなぁと思います。そうしたら焦って、悪いようになってしまうことがないのになぁと。みんな安心して生きることができるのではないかとも思います。

 ここでわたしたちは思い出す必要があります。実はわたしたちキリスト者には、古来より伝統的なナビゲーションシステムが与えられていたことを。イエスさまと聖書という名のナビゲーションシステムが、わたしたちにはあったのです。確かにこのシステムは古くて伝統的なもので、使い方はちょっぴり難しいものです。しかも、今のアプリと比べてちっとも親切ではありません。道を間違えても新しい生き方をすぐに提案してくれるわけではないですし、わたしたちがじっくりと向き合って新しい道を見つける必要があります。ただし大切なのは、このシステムはわたしたちを決して見捨てないということです。このシステムは必ずわたしたちを「天の父の元」へ導いてくれるものなのです。ただ、ちょっと声が小さくて遅いので、わたしたち一人一人がじっくりと静かに向き合って、出力される道を確認する必要があります。

 この「天国へのナビゲーションシステム」は2000年間、多くの人を天の国に導いてきた、信頼と実績のある、十字架印のナビゲーションシステムです。多少使い方が難しくても大丈夫。先人たちがたくさんの使い方を残してくれています。そしてまた、日々、多くの人が新しい使い方を見出し続けています。だからこの「天国へのナビゲーションシステム」をしっかり使って、周囲の人に教えてもらったり教えたりしながら、これからも天の国への道を歩み続けていきましょう。大丈夫。イエスさまが教えてくれます。

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